【フリーランスの確定申告】白色申告の一番簡単な方法

以前に「確定申告のやり方」のご質問を頂いていたので、手順をこちらにまとめます。控除にできそうな項目もつけておきます。海外の取引先でも同じ手順で行えます。


最初に、あなたはどちらのタイプですか?

白色申告でも良さそうな人

  • 扶養内で少し働く人
  • 次の就職までの「つなぎ」でフリーランスの仕事をする人

要は働く時間が極端に少なく、収める税額が小さくなりそうな人。それなら青でも白でも良いと思います。

青色申告を頑張った方が良い人

  • フリーで活動を続けるつもりの人
  • 家賃など経費にできるものが多い人
  • 少しでも多く節税したい人

青色にすると手間が増すので、その分をどう考えるかです。

👉 青色申告なら、会計ソフトを用意しましょう


  • Contents
    • 使うものはこれだけ
    • オンライン確定申告の流れ
    • 複式簿記 ✕ 青色申告なら、専用ソフトがおすすめ
    • 青色申告と白色申告、納税額で比較すると・・・


使うものはこれだけ

ここでは、最も簡単な「白色申告」のやり方をご紹介しますね。在宅フリーランスで「白色申告 × 郵送 × コンビニ納税」なら、以下のものだけあれば全て済みます。

    白色のメリットは、税金面で何の恩恵も無い分、帳簿の様式に決まりが無いということです(それぞれの違いはこちらの記事に書きました)。

    1. Microsoft Excel や Google スプレッドシート:計算用の帳簿
    2. 国税庁の申告書作成システム:申告書、収支内訳書、納税用 QR コード
    3. スマートレター:申告書の郵送


    オンライン確定申告の流れ

    1. 申告書、収支内訳書、納税用 QR コード

    国税庁のシステムだけあれば事足ります。2019 年 1月〜 スマホにも対応。

    https://www.keisan.nta.go.jp/

    国税庁 確定申告書等作成コーナー

    もしマイナンバーカード + カードリーダ (またはリーダ対応スマホ) を持っていれば、提出までオンラインで全て完結します。

    私はまだマイナンバーカードを申請していませんが … 申請時に必要な「証明写真」を撮るのが面倒で😅スマホで撮れるのですがね。

    上記サイトで、コンビニ納付用の QR コードも作成してくれます。払込手数料は無料

    コンビニに行く用事が無ければ、クレジットカードで決済しても良いですね。その場合は、納付税額に応じた決済手数料( *)がかかります。

    (*) 国税クレジットカードお支払サイト(トヨタファイナンス株式会社) に、手数料一覧が載っています。

    所得税申告書で入力する項目

    基本的には「収入金額」「所得金額」だけ。所得税の計算はシステムが自動でやってくれます。その際 38 万円 (2020 年分からは 48 万円) の基礎控除も自動的に引いてくれます。

    収支内訳書(一般用)で入力する項目

    自身に関係ある項目のみ、帳簿に従って入力して行くだけです。完全オンラインで仕事が完結する私の場合、以下のような感じです。

    「年収」、必ず必要です。「所得」ではなく、税引前の売上そのものです。

    • 売上先毎の収入


    経費にできるもの

    「経費にできるもの」「控除できるもの」、あれば漏れなく入れます。特に家賃と電気代はデカイです。

    • 地代家賃(家賃の家事按分) ※
    • 水道光熱費(電気代の家事按分) ※
    • 通信費(インターネット代の家事按分) ※
    • 消耗品費(10 万円未満の仕事用マシンなど)
    • 雑費(自分が支払った手数料など)

    ただ白色の場合、※の項目は「50% 超を業務に充てていること」が条件となります。実質その事業のために導入したようなもの以外は、ほとんど経費にできるものがありませんね。

    完成したら、最後に計算が合っているかを確認します。申告書・内訳書・帳簿それぞれ辻褄が合うはずです。


    2. 帳簿

    私はスプレッドシートで帳簿をつけています。

    一度は『freee』や『やよいの白色申告』あたりを使おうとしましたが、専用システムへ入力するのがイマイチ面倒だったからです。帳簿未作成であれば、システムにイチから入力するのも良いかもしれませんが。

    専用システムって、マウスを使わなければならなかったり、そのソフトについて学ばなければなかったり、入力画面とビューが別だったりします。

    マウスは嫌いだし、自分の仕事に生かせないスキルを学ぶ時間はもったいないし、全体を見ながら作業したいし…取引先も大して多くないし、「仕入れ」や「支払い」も無いし、スプレッドシートで十分かなと。

    ※2021.3 追記です…『弥生』のWeb版、この辺の操作感が良かったので、私もスプレッドシートを卒業する気になりました。

    帳簿の付け方や様式例は、国税庁「帳簿の記帳のしかた」にあります。「収入」と「経費」がわかれば良いので、簡単です。

    ただ、間違えやすいと思うのが(というか私は間違えたw)、白色かつ家計簿と同じ書式で良い・・・とは言っても、売上を ”現金主義 (実際の入出金ベース)” ではなく ”発生主義 (取引ベース)” で管理しないとならない所ではないかと・・・皆さんは落とし穴にハマらないよう気をつけてください。


    3. 申告書の郵送

    提出書類は「信書」を送ることになります 。

    信書を送れるサービスは郵便局のページにありますが、"信書を送付することができないサービス" の一覧しか載っていません … バシッと答えをくれよ。笑

    私は「スマートレター (180円)」を使いました。1kg まで送れるので、私は前年の訂正もこの時に一緒に入れて送ってしまっています(本当は、気づいたらすぐに送った方が身のためだけど)。

    前年分もまとめて送る時は、返ってくる控えの枚数が増えるので、返信用封筒には 94 円切手を貼っておいた方が良いかと思います。

    翌年青色申告したい人は、この時に「開業届」と「青色申告承認申請書」も一緒に送っておきましょう。

    (ところで青色申告をすると節税ができて良いのですが、開業届を出さない方が良い場合もあるようです。たとえば、しばらく失業給付を受給する予定の人や、被扶養者のまま少しだけ働くつもりの人など。似たようなケースでも不利になる場合とならない場合があるため、開業届を出す前に一度確認した方が良いでしょう。)

    スマートレターは A5 サイズなので、2 つ折りにする必要があります (私は折り目、気にならない)。折りたくなければレターパックライトで。

    表には赤で「確定申告書類在中」とか「所得税の申告書在中」などと書いて送っています。別に必須ではなく、受け取った側にわかりやすいよう、単なる配慮です。

    以下の必要書類一式を入れて送ります。

    • 申告書と、その控え
    • 収支内訳書と、その控え
    • マイナンバー通知カードと免許証のコピー
    • 84円切手を貼った返信用封筒

    後日、確認印つきの控えが返信用封筒で返って来ます。

    <参考>84円切手、120円切手でA4用紙を何枚まで送れる?

    上記をポストに入れ、QR コードを使って近所のコンビニで納税し、完了です。



    複式簿記 ✕ 青色申告なら、専用ソフトがおすすめ

    昔フリーランスで高収入を得ていたことがあって、その時は「やよいの青色申告」というソフトを使っていました。

    弥生は初年度無料なので、「フリーとして続くのかな・・・」という人は利用すると良いと思う。途中で白色→青色に切り替えることもできるけど、その時にはまた面倒が発生するので、最初から青色にしておいた方が楽です。

    私も白色申告を止めたくなったので、帳簿データを弥生(白)に移しました。弥生上で白→青へ切り替えするのはシステム上で簡単にできそう。屋号、何にしようかな…。

    マネーフォワードと freee は 1 ヶ月無料です。

    始めた当初、複式簿記のこともお金のことも全くわからなかったのですが、申告書類も含め、ソフトが勝手に作ってくれていました。

    それでも不安だったので、申告書は税務署へ持参し、係の人にレビューしてもらっていました。

    会計ソフトには年間 1 万円強 〜 の費用がかかります。が、様々な帳簿を自動で用意してくれることを考えると安い買い物。納める税金のことを考えたら、頑張って青色申告した方が絶対にお得です。「簡単なやり方」として白色申告を勧めておきながらゴメンナサイ。

    白→青への切り替えはちょっと面倒なこともあるので、この先切り替えたら、また手順など追記していこうと思います。

    帳簿付けのことも考えて最もシンプルな管理を方法は、青色申告で "現金主義による所得計算の特例" を受け、青色申告 10 万円控除を受けることだと思われます。本当はこの方法で管理したい所だけど…。でも後で変更したくなった時に切り替えるのが面倒です。「現金主義計算をやめます」という届け出と共に、帳簿も発生主義に切り替えなくてはならない…あーお金の計算が嫌だー!

    ということで、最初から専用ソフトを使って 65 万円控除を受けるのが最も間違いが無くお得な方法です。もし提出書類が揃わなければ、その時はその場で青色申告 10 万円控除に切り替えることはできます。

    帳簿付けはスプレッドシートでも十分なのですが、各種書類の準備がソフトが無いと難しいのですよ…。

    確定申告の作業自体は、私は e-Tax の方が簡単に感じます。弥生上でやろうとしたけど、質問が多くて面倒になり、結局やめました。「わからないので、聞いてくれた方が助かる」という人には、むしろ抜けが防げて助かるかもしれません。

    ちなみに私は抜けがあり、後から修正申告/更正の請求をしたので、結局無駄に時間がかかってしまいましたが。ちなみに直したのは、売上の計上月がズレていたのと、経費の計上漏れでした。皆さんも気をつけてー。



    青色申告と白色申告、納税額で比較すると・・・

    一年に支払う税金は大体このくらいなので、どれだけ納税額に差が出るかをご自身で計算してみて、どちらを選ぶか決めましょう。


    ・所得税 = 課税所得 × (所得税 5% + 税額に対して 2.1% の復興税)
    ・住民税 = 課税所得 × 所得割 10% + 均等割 (地域によって異なるが、5 千円前後)

    課税所得 = 年収 − 基礎控除 (2020 年から 48 万円) − 経費 − 条件により最大 65 万円の控除*

    * 青色かつ複式かつ期限までに e-Tax で申告すると、給与所得者と同じ「65 万円の控除が受けられる」ここが大きいです。

    ↓外部サイトですが、各種申告方法による納税額の違いがまとまっているページがありました。

    個人事業主メモ ― 白色申告・青色申告10万・55万・65万円控除の納税額の違い

    青色 10 万だと、白色と比べてほぼソフト代くらいの差だけど、55 万、65 万控除となると年間数万〜十万円単位で税額が違って来るので大きいですね。

    もう一つの注意点として、所得が多ければ多いほど、個人事業主を辞めた翌年の税金が大変なことになるので注意が必要です。事業を継続するにしても、逆に赤字になった時に多額の税金を払うことになるので、売上が激しく上下することがある人も、青色申告をした方が良いですね。

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